初勝利遠い松井裕 「二軍落ち」巡り現場と球団が綱引き
3度目の正直とはならなかった。
楽天の松井裕樹(18=桐光学園)が16日のソフトバンク戦に先発。開幕から2連敗しているドラ1のプロ初勝利が期待されていたが、5回5安打6四球3失点で3敗目。自慢の三振も4つしか奪えなかった。五回に5つ目の四球を出すと、星野監督も苛立ちのあまりベンチを叩いたほどだ。
「調子自体はそんなに悪くなかった。何かを変えていかないと」
と意気消沈の松井。前回9日も5四球と自滅しただけに、佐藤投手コーチは「次にストライク取れなかったら二軍だよ」と話していた。
そうなると現場以上に頭が痛いのが球団だ。松井はルーキーながら、すでにチームの「稼ぎ頭」。プロデビュー戦の2日のオリックス戦では平日デーゲームにもかかわらず、今季最多の2万1861人。同じ条件で高卒2年目の森が先発した翌日の試合は1万5651人と、約6000人減だった。
エースの則本が登板した4日の平日ナイターでも約1万5000人だったことを考えれば、球団の営業担当には松井が「金のなる木」に見えているに違いない。それが二軍落ちでは一文にもならない。このまま裏ローテの2番手投手として先発すれば、少なくともゴールデンウイークを含めた本拠地2試合で投げられるだけになおさらだ。