松井裕にプロ洗礼も 大物ぶり証明した初登板の心・技・体
黄金ルーキーが夢の舞台に立った。2日、楽天の松井裕樹(18=桐光学園)が、仙台のオリックス戦で公式戦デビュー。6回5安打3失点でプロ初黒星を喫し、試合後は「悔しい。緊張してテンポが悪くなった」と下を向いた。
しかし、高卒ルーキーのデビュー戦だ。6回3失点は悪いどころか上出来だろう。三振も6個奪っている。3失点目は六回1死三塁の場面でのスクイズ。オリックスの森脇監督が「外野フライを打つのも難しいし、空振りも取れる投手だからスクイズを使った」と話したように、松井を「手ごわい投手」とみたからこそ、小技を使わざるを得なかったのだ。
松井はこの日の試合だけでも、新人離れした「心技体」をこれでもかと見せつけている。
■しゃみせんにも動じない
まず「心」の部分は二回、安達に死球をぶつけた後の投球だ。右打者の安達はワンバウンドした内角のスライダーが「右足に当たった」と審判にアピール。ところが、スロー映像で見ると、ボールはバウンドしてすぐ、捕手嶋のミットにおさまっている。プロでは珍しくない安達の“しゃみせん”の洗礼を浴びた。