<第21回>奇異の視線に怯えながらガリガリの体でインカレに出場
「このガリガリの体で大会に出れば、みんなに病気のことを説明しなければならない。周囲はどんな目で私を見るのか……」
大学入学直後から拒食症を発症、スケート活動を休止していることはスケート関係者の間で噂になっていました。インカレに出れば奇異の目で見られることは間違いない。そう感じていました。
でも、躊躇していては前に進めません。
年が明けた04年1月。思い切って栃木県で行われたインカレに出場しました。大会前は不安が大きかったものの、直前に母から「リンクで滑れるだけで幸せでしょ?」という言葉をもらっていました。おかげで、思った以上に不安や恥ずかしさを感じることなく滑り終えることができました。
この大会で完璧に跳べたジャンプは2回転半どまり。表彰台にも上がれませんでした。それでも、再び大きな大会で滑れた喜びは格別。今の自分に何ができて、何ができないかを把握できたことも収穫でした。
「あとは、一つ一つの技やジャンプの精度を上げればいい。病気前のレベルに戻れるかもしれない」
淡い期待を抱いた直後、再び目の前に大きな壁が立ちふさがります。
休んでいる間に行われていた大幅な「ルール改正」でした。
(つづく)