「野村監督辞任」は広島からヤンキース黒田への“ラブコール”
他球団の中にはもちろん、ヤンキースで唯一、開幕からローテーションを守った黒田を評価するチームが複数あるが、黒田本人は今季終了後、「オファーがあっても、自分なりにいろいろと考えないといけないこともあるし、例年以上に難しい」と複雑な胸の内を吐露している。前出のOBが言う。
「黒田の頭には今、3つの選択肢があるはず。メジャー残留、引退、そして古巣の広島復帰です。黒田は07年オフに海を渡ってからも、ことあるごとに『現役の最後はお世話になった広島とファンの前でプレーしたい』と言い、『ただ戻るのではなく、力の残っているうちに戻りたい』と話している。39歳になった今がそのラストチャンス。年齢を考え、ここ数年はオフのたびに復帰が取りざたされた。が、その障害になっていたのが、実は野村監督と前田智徳の存在でした。自分にも厳しいが、他人にはもっと厳しいこの2人と、黒田は広島時代からウマが合わず、若手の頃に厳しく当たられたマイナスイメージが今も残っているのです。その前田智は13年限りで引退し、そして、野村監督の辞任も決まった。広島がCS終了まで野村監督の辞任発表を待たなかったのは、黒田がメジャー残留や引退を決断する前に、受け入れ態勢を整えたとのメッセージを伝えたかったからです」