「勝負弱さ」露呈で阪神連敗 監督と選手の間には微妙なズレが
「勝ってる時はいいんだよ。表情もイキイキしてな。でも、ほら、劣勢になった途端にこれだ。いつもの苦しそうな顔が出始めるだろ。これじゃあ、ベンチに活気が出るわけないよ」
ネット裏のプロ野球OBがテレビ画面を指さしながらこう言った。阪神の和田監督(52)のベンチでの表情のことである。
1勝1敗で迎えた28日の日本シリーズ第3戦で、阪神は先発の藤浪晋太郎が六回途中で3失点KOされると、打線もからっきし。ソフトバンクの大隣に7回3安打に封じられ、九回に1点を返すのがやっとだった。巨人とのCSファイナル、シリーズ初戦で効果的に得点してきた打線の勢いが萎むや、和田監督はベンチで表情を硬くするだけだったのだ。
「大隣は球のキレ、制球、コース、高さ、ほとんど間違えなかった。何とかしなければと思っていたが手が出なかった」
試合後、力ない声で相手をホメた指揮官。これでは確かにチームを包む沈鬱なムードは払拭できない。
勝っている時は選手の調子がいいわけだから、結果はついてくる。采配もハマりやすい。打てない時こそ、的確な狙い球の指示、流れを呼び込む選手起用などベンチワークが重要になってくるのに、2戦とも狙い球を絞り切れず、効果的な手を打てなかった。レギュラーシーズンから、和田監督の勝負弱さを不安視する声が出ていた。