著者のコラム一覧
森高夕次漫画家・漫画原作者

1963年、長野県生まれ。コージィ城倉のペンネームで89年「男と女のおかしなストーリー」でデビュー。原作を務める「グラゼニ」(「モーニング」連載中)は「お金」をテーマにした異色の野球漫画としてベストセラーに。

トライアウトで見えたプロ野球選手の運命論

公開日: 更新日:

間近でみた堂上兄のロングティー

 先日、トライアウトが行われた静岡の草薙球場に出かけた。気になる選手がいた。元中日の堂上剛裕(29)である。

 入団テストを経て、巨人入りが決まった彼を、昨年の春季キャンプのときに間近で見させてもらったことがある。

 個別練習で堂上と、同じく巨人入りが決まった吉川大幾の2人が三塁ベンチ前で並んでロングティーをやっていた。僕は三塁ベンチで彼らの斜め前の位置から観察していた。とりわけ堂上はこれぞ野球選手という素晴らしい体つき。力強いスイングで放たれた打球は何度もスタンドインした。若さに満ちあふれ、これぞプロだと感じ入った。

 その堂上がわずか1年半後にクビになり、トライアウトの会場にいる。06年高校生ドラフトで3球団の競合の末に1巡目入団した弟・直倫も目立った成績を残せていない。兄弟の入団時に寮長だった父・照(通算35勝)ほどの活躍ができるかも不透明だ。

 僕は思いをめぐらす。剛裕がもし中日とは別のチームに入団していたら、こうしてトライアウトを受けていただろうか。直倫の外れ1位で巨人に入団した坂本勇人は看板選手に成長したが、巨人が直倫を引き当てていればどうなっていただろうか、と。プロ野球選手の運命は、入団先によって大きく左右されるものだと思う。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    僕の理想の指導者は岡田彰布さん…「野村監督になんと言われようと絶対に一軍に上げたる!」

  2. 2

    小泉進次郎氏「コメ大臣」就任で露呈…妻・滝川クリステルの致命的な“同性ウケ”の悪さ

  3. 3

    綱とり大の里の変貌ぶりに周囲もビックリ!歴代最速、所要13場所での横綱昇進が見えてきた

  4. 4

    永野芽郁は映画「かくかくしかじか」に続きNHK大河「豊臣兄弟!」に強行出演へ

  5. 5

    永野芽郁“”化けの皮”が剝がれたともっぱらも「業界での評価は下がっていない」とされる理由

  1. 6

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  2. 7

    関西の無名大学が快進撃! 10年で「定員390人→1400人超」と規模拡大のワケ

  3. 8

    相撲は横綱だけにあらず…次期大関はアラサー三役陣「霧・栄・若」か、若手有望株「青・桜」か?

  4. 9

    「進次郎構文」コメ担当大臣就任で早くも炸裂…農水省職員「君は改革派? 保守派?」と聞かれ困惑

  5. 10

    “虫の王国”夢洲の生態系を大阪万博が破壊した…蚊に似たユスリカ大量発生の理由