松坂が涌井を復活させた
ここ数年、涌井が話題になるのはグラウンド外のことばかり。つける薬はないと思っていた。まだ独身とはいえ、これはエースとして結果を出してこそ。涌井に一番効くのは、6歳上の先輩・松坂大輔(34=ソフトバンク)である。松坂が9年ぶりに日本球界に復帰したことで、やっと自覚が芽生えたのではないか。
涌井にとって松坂は特別な存在だ。中学3年の時、同じ神奈川の強豪・桐蔭学園からも誘われていた。しかし、松坂の活躍を見た涌井親子に「松坂さんを育てた小倉部長がいる横浜高校がいいんです」と言われたことを覚えている。西武入りした後も松坂の背中を追い、「憧れの人」の背番号「18」を引き継いだ。その先輩は肩を痛め、いまだ未登板だが、松坂に恥ずかしい姿は見せられないと背筋が伸びたのではないか。ノルマは15勝。チームが上位争いに絡めるかは、涌井の右腕にかかっている。
ヤクルトにFA移籍した成瀬善久(29)も新天地でまずまずのスタートを切った。3試合で1勝2敗だが、失点は2、1、3。今年のヤクルトは投手陣が安定し、打線は巨人以上の破壊力がある。リーグ3連覇中の巨人に対抗するには、一年を通した成瀬の働きが重要になる。