「抜け出したいと思うが負け」 権藤氏語る混セ脱出の落とし穴
コラム【権藤博の流儀】
横浜監督時代、私はリリーフ陣の起用に約束事をつくった。
1.イニングをまたいで投げた投手は次の日の試合では使わない
2.1イニングで交代した投手に限って2連投までOKとする
3.打たれた投手には翌日に必ず取り返すチャンスを与える
4.3度続けてやられた場合は二軍に落として調整し直させる
こうした自分の中の原則を守ったことで、必然的に「中継ぎ投手のローテーション制」が出来上がった。抑えの大魔神佐々木という切り札にいかにしてつなぐか。中継ぎ陣の起用にはことさら気を使ったが、この方法が彼らの体と心のスタミナを最後まで持続させたと自負している。
ブルペンでの投球も制限した。リリーフ投手はほぼ全試合にベンチ入りするわけだから、投球練習での球数だって少ないに越したことはない。試合中、ブルペンの様子が映し出されるモニターを見て、その日に使うつもりのない中継ぎ投手が肩をつくっていたときは、すぐに内線電話の受話器を取って、「なにをやらせてんだ!」とブルペン捕手を怒鳴ったこともあった。