権藤氏は「エース脳」と分析 日ハム大谷が持つ思考回路の中身
投手と打者の二刀流で才能を発揮する日本ハムの大谷翔平(21)だが、彼の本質は「投手人間」なのだと思う。そう感じたのは、両リーグ一番乗りの10勝目を挙げた10日の西武戦後のコメントだ。
「最初は送らせようと決めていたけど、予想以上に打球が強かったので。野手をやっていてよかったです」
そう振り返ったのが、0-0で迎えた八回の無死一塁の場面。打席に新安打製造機の秋山を迎えた。秋山はバント。打球が強く投前に転がり、大谷はこれを二塁で封殺して、自らピンチの芽を摘み取った。俊敏なフィールディングを「野手をやっていてよかった」と自画自賛したわけだが、私が得心したのは、その前の「送らせようと決めていた」というセリフの方である。
試合は0-0。相手先発の岸は六回まで完全投球で、八回のその時点でも四球1つだけのノーヒットノーランを続けていた。つまり、1点が明暗を分ける緊迫したゲーム展開。にもかかわらず、大谷は走者にスコアリングポジションに進まれることを恐れず、むしろ進んでバントさせることを選んだわけである。