思い出は「罰走付きフリー打撃」 ロッテ藤岡の桐生第一時代
誰かがエラーするたび、守っている選手はグラブを、打った選手はバットを置いてグラウンドをランニングで一周。再びフリー打撃に戻る。これがベンチ入りメンバー20人全員が打つまで終わらない。1人5分としても20人で100分。たびたび罰走で中断されるのだから、2時間程度では終わらなかったという。
「僕はエラーしたか? まあ、(体は後ろに引いてグラブを前に出すしぐさをし)こうやって、慎重に慎重に守ってましたから大丈夫です(苦笑い)。ウチの野球部は伝統的に堅実な守備が有名。この練習のおかげで鍛えられているといってもいい」
もうひとつ、藤岡が苦手にしていたのが「声出し」だ。プロ野球選手にしてはおとなしい性格。気合だ根性だというタイプでもない。
「あまり大声を出すのが好きじゃないんですよね(苦笑い)。だから声を出して練習するのがキツくて……。例えば短距離ダッシュの時は走る前に『頑張ろうぜ!』とか『元気ねーぞ!』とか叫んでから走るんです。これがどうも苦手でして……」