初アマ横綱モンゴル人大学生 角界では「出世せず」の根拠
モンゴル勢に席巻されている大相撲。ついにはモンゴル人の「大学生チャンピオン」まで現れた。
6日の全日本相撲選手権で、バーサンスレン・トゥルボルド(日大3年)がアマチュア横綱に輝いた。今年で64回目を迎えた同大会において、外国人力士が優勝したのは史上初だ。
トゥルボルドは照ノ富士や逸ノ城と同じく、モンゴルから相撲強豪校の鳥取城北高に留学。指導者のすすめもあってそのまますぐに角界入りはせず、日大に進学した。卒業後は相撲部屋から引く手あまただろうが、一方で角界には「大関、横綱はもちろん、三役すら難しいのではないか」という声もある。
なにしろ、大卒力士は「うまいが強くない」がお決まり。過去、大学を卒業して横綱に昇進した力士は輪島しかいない。大学相撲はトーナメント制のため、一発勝負で勝てる技術ばかり上達する。プロでは嫌われる、変化やはたきといった小手先の技がそれだ。
相撲記者が言う。
「大卒力士は体力面も不足しがちです。下っ端の1、2年はともかく、学年が上になるにつれ稽古もサボりがちになる。特に4年生ともなると、自分を追い込んで稽古に励むということは皆無です。遠藤がパワー不足に悩んでいるのも、大学時代のツケでしょう。やはり、出世したいなら中学卒業後すぐに相撲部屋に入門するのがベスト。成長期に相撲漬けの生活を送れば、いやでも体は鍛えられる。細かい技術はそれからでも遅くない」
トゥルボルドの身体能力は折り紙付き。将来、「なぜ大学に進学したのか」と親方を嘆かせることにならなければいいのだが……。