J監督就任目前だったビエルサを激怒させた協会幹部の無礼
J1に昇格した松本山雅は15年シーズン、18チーム中16位に低迷。1年でJ2に逆戻りである。
北京五輪監督だった反町監督は、90分間フルに走り回っての全員攻撃に全員守備がモットー。選手の走行距離、スプリント回数はJ1でもトップ3に入るが、選手のレベルの低さに加えて反町監督の攻め手が“堅守からカウンターのワンパターン”しかなく、ただ走り回るだけではJ1で通用しなかった。
「5月20日からJリーグ、ナビスコ杯で9連敗した時は得点6に対して失点25とボロボロ。この時点でフロントは反町監督に見切りをつけ、後任監督探しに着手しました」(チーム関係者)
松本のフロント幹部の人脈を通じて交渉することになったのは、世界に名だたる有名な指導者。母国アルゼンチン代表を率いて02年W杯、チリ代表監督として10年W杯に出場。今夏まで仏リーグ1部の名門マルセイユの監督を務めたマルセロ・ビエルサ(60)である。
「ビエルサと親交のある日本人関係者が仲立ちした。当初、松本フロントは『あの大物ビエルサがウチに来るなんて……』と懐疑的だったが、正式オファーを出して折衝すると年俸やコーチの人選など細かい部分は今後煮詰めていくという条件付きながら、基本的に日本行きはOKという返事が来た。最終的に正式契約にいたらなかったが、シーズンオフに日本で指導者セミナーの講師を務めるとか、サッカースクールを開催して指導に当たるとか、そうした話も出てくるほどビエルサと松本は、親密な関係を構築できた」(前出の関係者)