マラソンに距離延長「50km」案 日本人選手には損か得か
ゴールまでの残り距離が約10キロから20キロに延びれば、これまで以上にスタミナが求められる。アフリカ勢に大差をつけられた日本選手には不利ではないのか。陸上ジャーナリストの菅原勲氏は、「100キロロードマラソンの世界記録保持者は男女とも日本選手です。50キロでも今のマラソンとは違う競技になるといっても過言ではない。8月に行われる五輪では、開催国の気温によっては耐久レースと化し、棄権する選手が続出するかもしれません。今よりさらにスタミナが求められるので、当然練習法も変わってくる。国際大会でメダルが取れるかどうかは別にして、相対的には粘れる日本選手に有利になると思う」という。
ソウル五輪マラソン代表で「チーム新宅」代表の新宅雅也氏はこう語る。
「近年のアフリカ勢はスピードもスタミナもある。50キロに距離が延びてもアフリカ勢有利の状況は変わらないと思う。ただし、以前ほどではないが、アフリカ勢は勝負を諦めやすい。50キロマラソンになれば、おそらく勝負は40キロからでしょう。練習法を工夫して後半に粘れるスタミナをつければ、メンタルの強い日本選手は上位争いができるはずです」
50キロマラソンの実現を願うのは日本選手だけか。