「何も考えていない」 渋井陽子が女子マラソン若手選手に“喝”
前日本記録保持者(2時間19分41秒=日本歴代2位)の渋井陽子(36)が日本の女子マラソン界に苦言を呈した。
来年のリオ五輪選考会を兼ねる第1回さいたま国際マラソン(15日)の招待選手が13日、さいたま市内で会見したときのことだ。
今年が初開催。コース攻略も難しいことから国内の有力選手がそろって出場を見送った。渋井は五輪や世界選手権で不甲斐ない結果に終わる女子マラソン界の現状に黙っていられなかったのかどうか、リオに向けた課題を聞かれると「うちのチーム(三井住友海上)に関してですが」と前置きした上でこう言った。
「今の若い子たちは(練習環境など)何でも揃っているし、トレーニングは(指導者に)言われてやっている。言われなければやれない子が多いんです。うちらの頃は何も指示されなくても自分たちでやっていたし、チームメートと競うように練習していた」
渋井は04年に中国で1カ月間の単独合宿を行ってベルリンマラソンに臨み、日本記録(当時)を更新。自力で結果を残しただけに、若手選手の指示待ち姿勢が理解できないという。
「故障すると(治療法やリハビリなど)何も考えられないし、どうしたらいいのかも分かっていない。『こいつら何も考えていないんだな』と思うことがよくある」
日本の女子ランナーが結果を残せないのは能力以前の問題のようだ。