大関琴奨菊が全勝ターン 10年ぶり日本人優勝に一縷の望み
奇跡は起きるか。
8日目(17日)にして全勝力士が2人だけとなった初場所。横綱白鵬は当然として、もう1人が大関琴奨菊(31)とは相撲ファンも驚きを隠せないのではないか。
17日は同じ大関の稀勢の里を、得意のがぶり寄りで撃破した。「体調がいいから」と胸を張るなど、初日から快進撃。場所後には昨年7月に婚姻届を出した夫人との挙式も控えていることもあり、気の早いマスコミは「優勝で花を添えたい」などと報じている。
だが、琴奨菊といえば“頼りない大関”の筆頭。優勝経験はなく、大関昇進後は最高でも11勝しか挙げたことがない。これまでカド番も5回を数えている。ファンの期待を裏切り続けているどころか、力士や親方衆からも「琴奨菊が優勝なんて、悪い冗談」と陰口を叩かれている。
ある親方は「不器用な一芸力士でしかない」と、こう話す。
「確かに低い重心から繰り出す、がぶり寄りの威力は十分。しかし、言い方を変えれば、がぶり寄りしか強みがない力士でもある。臨機応変に動けるほど器用ではなく、技の引き出しは白鵬らの足元にも及ばない。上位力士と当たる後半にバタバタと負けることが多いのは、それが理由です」