相撲人気回復中なのに…力士会が巡業数10増に苦情のナゼ
1日付の読売新聞によれば、10日から初場所が開催される大相撲の巡業数は15年度の60日を上回る70日以上になるという。年間70日といえば、若貴ブームに沸いた94年以来、22年ぶり。昨今は相撲人気が回復していることもあり、各地から巡業の申し込みが殺到している。
これに苦情を言っているのが力士会だ。昨年の60日ですら負担が大きかったようで、年末には「長時間移動の改善」「トレーナーの増員」「ケガを防ぐために土俵に上がる力士を日によって東西の力士に分ける」などの巡業改革案を協会に提出した。
02年から公傷が認められなくなった以上、ケガを恐れて巡業で土俵に上がらない力士も増えている。秋巡業では相撲を取ったのがわずか4人という日もあったほど。巡業過多で体力が回復せず、本場所でケガをする力士もいる。「このままではどっちつかずになる」というのが、力士の総意なのだろう。
よくよく考えれば、現在の力士に年6場所と巡業の充実の両立は不可能だ。ベテラン相撲記者は「昔は巡業が年間70日でも文句は出なかった」と、こう話す。