世界フィギュア自己最低7位も 現役続行の真央に心の成長
結果だけを見れば、「惨敗」である。
日本時間3日に米・ボストンで行われたフィギュアスケートの世界選手権最終日。SPで9位と出遅れた浅田真央(25)は、この日のフリーでオペラ「蝶々夫人」を情感たっぷりに演じ切った。 今季自己最高得点をマークしたものの、順位は9度目の世界選手権で過去最低となる7位。冒頭のトリプルアクセルが回転不足となるなど、細かなミスが響いた。1年間の休養から復帰した今季はGPファイナルでも最下位の6位。それでも、「ほっとした。得点や順位のことより自分の演技をしたいという思いが強かった」と笑顔を見せた浅田は、こう続けた。
「年齢を重ねるごとにSPとフリーでぜんぜん違った表現が自分なりにできている。それを楽しみながら滑っている。復帰していなかったら、後悔していたと思う」
そして、「経験を次に生かしたい」と現役続行の意向を示した。
昨年大会の銀メダリストで全日本チャンピオンの宮原(18)が5位。本郷(19)も8位に沈み、日本女子11大会ぶりのメダルなしに終わった。優勝したロシアの16歳、メドベージェワはフリーの世界歴代最高得点を0・04更新。日本連盟の小林強化部長は「凄い才能。止められないのかな」と舌を巻いたが、浅田の現役続行宣言には胸をなで下ろしただろう。