6回零封&1号弾 マエケン最高初勝利にエース左腕ひと役
六回を投げ終えて84球と余力を残し、勝利投手の権利を得たまま降板。ベンチでデーブ・ロバーツ監督と握手するとホッとしたような笑顔を見せた。
今年1月の契約時に受けたメディカルチェックでは肩、肘に異常が見つかり、米メディアからは8年の長期契約を疑問視する声も上がった。「球威がない」「線が細過ぎる」と不安ばかりがささやかれた前田が、まずは最高のデビューを果たした。
■クラブハウスでは英語コーチ
ルーキー右腕はブルペンでの投げ込み不足を解消するため、マウンド上で肩、肘のストレッチを繰り返すなど、工夫を怠らない。メジャーの環境に適応するため、抜かりなく準備してきたが、実はメジャーを代表する投手の存在も前田の大きな支えになっている。過去に3度(11、13、14年)サイ・ヤング賞を受賞しているエース左腕クレイトン・カーショウ(28)だ。
前田の入団が決まった際、かつてドジャースでプレーし、兄貴分と慕う黒田から連絡を受けたこともあって、キャンプ中から何かと面倒を見てきた。オープン戦に入ると、カーショウはキャッチボール相手に前田を指名。かつての黒田がそうだったように、ブルペンでの球数が制限され、前田が物足りなさを感じていると考えたのだろう。帽子を後ろ向きにかぶって座り、捕手役を務めている。漠然と球を受けるだけではなく、投げる際に肘が下がっていたり、頭や顔がずれていた場合はジェスチャーを交えて指摘するなど、コーチのような存在でもある。