一軍復帰初戦で逆転弾 G阿部に課せられる主砲以上の重責
これ以上ない形で主砲が帰ってきた。31日、交流戦開幕のオリックス戦で一軍昇格した巨人の阿部慎之助(37)が「5番・DH」で今季初出場。1点ビハインドの六回2死一塁から、オリックス西の直球を右翼席に叩き込み、逆転に成功した。インタビューでは「最高です。50試合出遅れたのは? 最低です」といたずらっぽく笑った。
2、3、4月にそれぞれ右肩痛を発症し、合流が大幅に遅れた。チーム打率も得点も12球団最低の貧打にあえぐチーム状況は良くない。
かつては一人で何役もこなしていた大黒柱には、高橋監督が期待するバットだけではない仕事があるという。春のキャンプの時、あるコーチがこんな心配をしていたことがある。
「(前監督の)原さんがいなくなって、どこか締まらない雰囲気がある。阿部がいると空気がピリッと締まるんだけどな」
阿部はこの時、別メニュー調整中。和気あいあいとした練習風景に危機感を感じるコーチがいたのだ。計12年もの長期政権を率いた原前監督は“独裁者”と揶揄されたが、空気を引き締める存在ではあった。