初日から9連勝 大関豪栄道はカド番で本領発揮する勝負師
逆境に強いと言えば、聞こえはいい。
初日から快進撃を続けている大関豪栄道(30)が19日も碧山を押し出し自身初の初日からの9連勝。ただひとりの全勝を守った。
1敗は横綱日馬富士と平幕の遠藤のみ。初の賜杯も見えてきた。
ある親方が言う。
「豪栄道は形勢が不利になるや、すぐにはたきや首投げに出る悪い癖がある。それらの技は逆転劇を生むこともあるが、腰高で脇がガラ空きになりやすく、あまり多用すべき手ではない。今場所はそうした消極的な姿勢ではない。ひたすら前へ前へと攻めていることが、好調の要因でしょう」
豪栄道は先場所までの大関在位12場所で、2ケタ勝利がたったの1回しかなかった。カド番も今場所で4回目。好角家の間では「大関になったのが間違い」という厳しい意見も出ていた。
だがしかし、安定感には欠ける分、ここぞの爆発力は他の力士にひけを取らない。カド番で迎えた今年3月場所は12勝3敗。11日目までは白鵬、稀勢の里と並んで1敗をキープし、三つ巴の優勝争いを演じた。やはりカド番の今場所も単独トップ。早い話、尻に火がつかなければ“本気”を出せないのだ。