ロッテ交渉権の佐々木千隼 “外れ1位で5球団競合”の実力は
佐々木千隼(桜美林大)といえば、今ドラフトの目玉のひとり。一時期は田中(創価大)をも凌ぐ評価をされていた。
ところが、フタを開けてみれば最初の入札で佐々木を指名した球団はゼロ。田中に5球団が集中したのに加え、独自のドラフト戦略を貫く球団、競合を避けた「逃げの指名」などが重なったがゆえの“悲劇”だった。
しかし、そこは田中と双璧をなす、アマチュア球界屈指の右腕。今度はクジを外した5球団すべてが外れ1位で佐々木を指名するという、前代未聞の事態となったのだ。
外れ1位で競合することは珍しくないが、5球団というのは過去最多。ロッテが交渉権を引き当てると、
「不安だったが、光栄。やっとスタート地点に立てた。同世代に日本ハムの大谷くんがいるけど、今は雲の上の存在。早く勝負できるよう頑張ります」
と安堵の笑みをもらした佐々木。西武の渡辺SDはドラフト後、「佐々木も(5球団指名で)面目を保てたんじゃないのかな」と、その心情をおもんぱかった。田中、柳との「大学ビッグ3」の中でも最もバランスがいいとの評価もある佐々木は、1年目2ケタ勝利の可能性が一番高いといわれる。外れ1位でも5球団が競合したことは胸を張っていい。