圧巻V5の井上尚弥 “二刀流”ボクシングで米国進出に弾み

公開日: 更新日:

 改めて、「世界」にその力を見せつけた。

 王者・井上尚弥(24)が、同級2位のリカルド・ロドリゲス(27)を圧倒。3回KOで片づけ、念願の米国進出に弾みをつけた。

「(大橋)会長から、この次はビッグな試合がある、と聞いている。米国に向けても少しはアピールできたかなと思う」

 試合後、本人がそう言ったように、井上陣営には米国進出の青写真がある。9月にラスベガスで防衛戦を行うプランだ。試合前日、「お客さんを興奮させたい。どう喜ばせ、次も見たいと思わせるか」という井上の言葉もそれを念頭に置いたものだった。

 この日は2回に突然、本来の右構えを左構えにチェンジ。会場がどよめく中で、挑戦者のパンチを悠然とかわしながら、何度も鋭い左ストレートを繰り出した。単なる幻惑のためのスイッチではなく、十分にKO可能な左ストレート。仰天の「二刀流」スタイルは、防衛10度の元バンタム級王者・長谷川穂積をして「すごい」と言わしめる完成度だった。

 米国ボクシングメディアの権威、「リング誌」が選ぶ「パウンド・フォー・パウンド」(体重差を抜きにして最強ボクサーを決めるランキング)で、世界10位にランクインする井上には世界が注目している。「怪物」が米国で「Monster」と呼ばれる日も近そうだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡田阪神は「老将の大暴走」状態…選手フロントが困惑、“公開処刑”にコーチも委縮

  2. 2

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  3. 3

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  4. 4

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  5. 5

    中日・根尾昂に投打で「限界説」…一軍復帰登板の大炎上で突きつけられた厳しい現実

  1. 6

    安倍派裏金幹部6人「10.27総選挙」の明と暗…候補乱立の野党は“再選”を許してしまうのか

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    79年の紅白で「カサブランカ・ダンディ」を歌った数時間後、80年元旦に「TOKIO」を歌った

  4. 9

    阪神岡田監督は連覇達成でも「解任」だった…背景に《阪神電鉄への人事権「大政奉還」》

  5. 10

    《スチュワート・ジュニアの巻》時間と共に解きほぐれた米ドラフト1巡目のプライド