スタミナに不安…横綱稀勢の里を悩ませる3カ月のブランク
前途は多難だ。
7月9日に初日を迎える7月場所に向けて、稽古に余念がない横綱稀勢の里(30)。27、28日は2日続けて大関高安と三番稽古。29日も高安相手に14番取り、実戦さながらに駆け引きを駆使していた。
「短く、集中しようと思った」
とは本人の弁だ。
7月場所は出場する気満々の稀勢の里だが、気がかりなのは3月場所で負傷し、5月場所で再び痛めた左上半身の状態だ。28日は患部を気にし、顔をしかめる場面があった。まだ完治には程遠い上、「体にこたえる」と、体力面での不安ものぞかせた。この日は番数を減らしたのも気になる。
今月半ばから高安と稽古をしている稀勢の里だが、最後にこの弟弟子を相手にしたのは3月場所前。実に3カ月ぶりだ。その間は治療とリハビリを優先し、実力者とは相撲をほとんど取っていない。名古屋場所の宿舎に移動する直前に出稽古で平幕阿武咲と相撲を取ったとはいえ、こちらはまだ成長過程の力士。稀勢の里の稽古相手としてはまだまだ力不足だ。