1月から清宮も入所 プロ野球合宿所に「時代錯誤」の声
「社会では18歳は大人として選挙権を与えたわけですし、プロ野球選手というのは個人事業主です。解雇されたら倒産を意味する。自立心を持たせることが、選手としての成長にもつながるはずです。合宿所では人間形成に力を入れているという球団もあるそうですが、そんなことは大人に対してやることではない。プロ野球選手になったら、まず自分で不動産屋に行って交渉し住居を借りる。食事は栄養面を考えて3食取る。サラリーマンはみんなやっていることです。自己管理とは程遠い、合宿所での画一的な選手管理は、個性のある選手が生まれない要因にもなっている気がします」
巨人OBで、引退後は巨人、日ハム、社会人などの投手コーチを歴任した高橋善正氏は2008年から4年間、母校の中大野球部監督も務めた。その経験からこう語る。
「例えば、注目されている清宮君の場合は、野球部の寮ではなく自宅通いで高校生活を送り、それなりに自由な環境の中でこれだけの成績を残した。合宿所に入れて、恋愛もダメ、外出もダメなんて制限したら、かえって野球に集中できないのではないか。大学の監督をやってわかったことは、野球のレベルは昔より落ちているものの、鉄拳指導が幅を利かせていた昭和時代とは明らかに選手の頭の構造や意識が違うことです。指導者の言いなりではなく、自分で考えたり、それを言葉にできる選手が多い。インターネットや携帯端末機の普及で貴重な情報も瞬時に得られるし、世間の動きにも敏感です。自分というものを持っている大人を、ひとつ屋根の下で生活させることが多くのプラスをもたらす時代ではなくなってきています」