高視聴率も赤字 国民が払うW杯放映権料600億円の高いツケ

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 放映権料の高騰は権利を狙うネット事業者の参入も影響しており、民放連の井上弘前会長(TBSテレビ名誉会長)は今年1月、「W杯はすでに赤字。メディア権料が高騰するのは大変悩ましい問題だ」と話していた。たとえば中国では、国営テレビのCCTVに加え、大手IT企業の「アリババ」がネット配信を行っている。

■W杯中は受信料徴収が一層強化か

 そこでNHKである。

 広告収入とコンテンツ収入で成り立っている民放と違い、NHKは国民が支払う受信料が収入の柱だ。

「NHKはロシアW杯の全64試合中32試合を生中継。BSでは全試合を録画放送する。当然、NHKの負担分は大きい。前回ブラジル大会ではNHKと民放の負担比率が7対3といわれた。これに当てはめると、NHKは今回も420億円もの巨額なカネを支払っていることになる。ロシアにスタッフを派遣するなど制作費もバカにならない。動画配信アプリも無料で提供している。赤字は間違いないでしょう」(別の民放関係者)


 だからか、NHK周辺には「W杯期間は戸別訪問などでの受信料の徴収が一層強化されている」との声もある。NHKの17年度の受信料収入は過去最高の6914億円となったが、W杯の放映権料だけで6%も占める。NHKの負担増は最終的に国民にはね返る。

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