体操協会なぜ切れず? 塚原夫妻“職務一時停止”本当の目的

公開日: 更新日:

 第三者委の委員長を務める岩井重一氏は、朝日生命保険が株主となっている企業の顧問弁護士を務めていた。10日付で辞任したとはいえ、塚原夫妻は朝日生命の指導をしているだけに、「公平性に欠けるという疑念がある。リセットしてやり直した方がいい」とは宮川の顧問弁護士だ。

 これに対して協会の山本宜史専務理事は「朝日生命の名前が出るだけで関係があるように言われるが、一切ない」。人選は再考しないと説明したものの、仮に本当に関係がないとしても、宮川サイドが疑念を抱いている以上、世間を納得させるためにも人選を一新すれば済む話ではないか。

「それをしない、いや、したくてもできないからこそ、塚原夫妻を期限付きの職務停止にしたのでしょう」とは、古手のアマチュアスポーツ担当記者だ。

「協会がやりたい放題の塚原夫妻を煙たがっているのは事実ですが、だからといって完全に切り捨ててしまうわけにもいかない。権力の中枢にいた夫妻はそれこそ闇の部分も知り尽くしているわけで、追い出して、いま以上に醜聞が拡大するようなことにでもなれば、10月に世界選手権を控えて目も当てられない事態になる。協会としてもそれだけは避けたい。落としどころは夫妻寄りになる可能性が高い。協会は中立公正にやっているということを事前にアピールするためにも、夫妻を一時的な職務停止処分にしたのですよ」

 塚原夫妻の職務停止は要するに、「協会のアリバイづくりに過ぎない」というのだ。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  3. 3
    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

    佐々木朗希の今季終了後の「メジャー挑戦」に現実味…海を渡る条件、ロッテ側のスタンスは

  4. 4
    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

    ドトールに注がれる「石丸効果」都知事選でヒモ付き隠さず3番手から猛追、株価も爆上がり

  5. 5
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  1. 6
    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

    ソフトB山川穂高「無神経ぶり」改めて露呈…31試合ぶり本塁打も身内から異論噴出

  2. 7
    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

    石丸伸二候補に大逆風…「恫喝」訴訟で2連敗、都知事選後の国政進出シナリオも狂いが

  3. 8
    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

    蓮舫候補に一発逆転の「神風」は吹くのか…7.7都知事選「一歩リード」の小池知事を猛追

  4. 9
    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

    都知事選最終盤に飛び交う「蓮舫狙い撃ち」の怪情報…永田町に出回る“石丸2位”データの真の狙い

  5. 10
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」