来場所に進退かかる稀勢の里 “起死回生”の一手はあるのか
昨年3月場所で左腕、左胸を負傷してからは、左おっつけを封印、というかケガの影響でやりたくてもできなかったのだ。今場所前の稽古ではこの技を繰り出していたが……。
「おっつけは自身のヒジを脇にくっつけて、相手の腕を下からしぼり上げる攻防一体の技。ただ、胸筋に負担がかかるので、『古傷が悪化したらどうしよう』と本場所では避けていたのかもしれない。一人横綱の重圧で勝ち急ぐあまり、最初から左差しばかり狙っていたこともあるでしょう。でも、もはやケガの悪化などささいな問題。4日目の栃煌山戦では頭からぶつかって左を差したように、まだ前に出る圧力自体は衰えていない。『このまま燃え尽きてもいい』という覚悟で初場所に臨めば、チャンスはある」とは前出の親方だ。