崖っぷち3連敗 稀勢の里は稽古で手の内さらし八方ふさがり
初日から3日続けて転がされた。
横綱稀勢の里(32)は13日の3日目、北勝富士に敗れ3連敗。いまや「左差しさえ気をつければ勝てる」が共通認識となっている。まわしを取らせまいとする北勝富士に手も足も出ず、張り手、ノド輪といいようにやられ放題。最後はあっけなく突き落とされた。
場所前は出稽古に精を出すなど、好調をアピール。「目標? 優勝です」と胸を張っていた。
それがフタを開けてみたらどうだ。2日目に敗れた妙義龍とは7日に三番稽古を行い、13勝2敗。北勝富士とも6日の出稽古では9勝3敗と圧倒していた。
「そもそも、稽古は稽古、本場所は本場所です。出稽古で手の内をすべてさらす力士はいませんよ。不利な場面などを想定して、わざと自分の型を封じて取る場合もある。そこにいくと、稀勢の里は左差し以外の引き出しがない。稽古で勝てば勝つほど、左からの攻めを警戒されてしまう。これまで、頭を使って相撲を取らなかったツケが回ってきている。かといって、今から新しい取り口を覚えられるほど器用でもない。八方ふさがりですよ」(ある親方)