3年ぶり全日本Vも…伊調馨の五輪5連覇に“腰位置3cmの壁”
「まったく見えなかったのが、まだぼやけているけど見えてきた」――。
23日のレスリング全日本選手権(東京・駒沢体育館)女子57キロ級決勝で中量級女王の川井梨紗子(24)を下し、3年ぶり13度目の優勝を果たした五輪4連覇の伊調馨(34)が、改めて東京五輪への出場を口にした。
一連のパワハラ騒動による影響もあって、本格的な練習再開からわずか3カ月足らずで、女王の座を奪還。11度目となる来年の世界選手権出場への第一関門を突破したが、関係者の間からは2020年東京五輪に向けて不安視する声も上がっている。
さる協会幹部は「まだ構える位置が高い。あれでは効果的なタックルに入るのは難しいし、ディフェンスも甘くなる。年齢的な衰えか、実戦不足なのか、伊調は防御の選手なので、現状では世界を相手にするのは厳しいかもしれません」と指摘した。
22日の予選では川井相手に攻め切れず、攻撃の手数も相手を下回った。決勝も同様に終盤までリードを許し、残り10秒を切ってから、ようやくタックルが決まり、接戦を制した。