3年ぶり全日本Vも…伊調馨の五輪5連覇に“腰位置3cmの壁”
予選からの4試合で、タックルを決めきれなかったのは体力不足も原因だ。日頃、伊調を指導する田南部力コーチによれば、16年リオ五輪前と比べて筋量、脂肪量とも7割程度だという。
田南部コーチは「世界チャンピオン相手に、あそこまでやれたので、手応えは掴んでいる」としながらも、今後の課題についてこう話した。
「まだ、腰高です。(下半身も含めて)筋力が付いてくれば、(腰の位置が)3センチは下がる。下がれば、タックルの精度も高くなるはずです。年齢が年齢なので、一気にとはいきませんが、来年9月ぐらいには戻っていると期待しているのですが……」
海外のトップ選手の多くは序盤から積極的に攻めてくる。世界選手権、五輪では、腰高でがら空きになった下半身を攻められる可能性もある。今後、3センチの差を克服できなければ、防御に定評のある伊調でも海外勢のパワーに屈しかねない。