マスターズ“上から目線”が反感買い近隣住民とトラブルに

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 マスターズウイークは、大勢のパトロンが米国中から大集結して、会場近くはどこも交通渋滞になる。8000台とも9000台ともいわれる駐車場を整備して、メンバーら関係者の利便性を高めるためのトンネル工事であるが、「1年のうちの、たった7日から10日間のためだけにここまでするのか」といった不満の声が上がっているわけだ。

 そもそも、コースのヤーデージを延ばすために、隣接するオーガスタカントリークラブの土地を買収するというのも失礼な話だ。「金を払って、隣接コースの造成、整備もやってやるのだから、文句はないだろう」と言わんばかり。隣接クラブのメンバーにも一時的とはいえ不便を強いることになる。

 プロのボール飛距離が伸びて、その対応策としてコース改造しているのだが、同じメジャーでも全米オープン(主催USGA)や全英オープン(同R&A)は名門クラブで開催するが、コースヤーデージは簡単に延ばすことができず、相応の資金もない。そのためUSGAやR&Aは総ヤーデージ数の延長より、クラブやボール制限を視野に入れている。

 そんな状況でUSGAやR&Aに強い影響力を持つオーガスタナショナルGCだけがヤーデージを延ばすとなると、世界のゴルフ界で統一基準が取れなくなると危惧する関係者は少なくないのだ。

(ゴルフライター・吉川英三郎)

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