佐々木の韓国戦1回降板は“人災” 首脳陣の起用法に批判噴出
■行く気満々でブレーキを踏まれる
兆候はあった。5日のカナダ戦。試合中にブルペン入りした佐々木は気合十分、150キロ以上の直球、鋭く曲がるスライダー、フォークを投じて投げる気満々だった。先発の奥川(星稜)の2番手として八回から投げる青写真だった。
ところが、七回の日本の攻撃で5―1とリードが広がったため、佐々木はお役御免。代わりに飯塚(習志野)がマウンドに上がった。出番がないことをコーチから告げられた佐々木は、思わず苦笑いを浮かべていた。
「まったくもって、信じられない調整のさせ方だ」
怒りを込めてこう指摘するのは、パ球団のスカウト幹部だ。
「佐々木は1次リーグの段階ですでに、投げられる状態だった。少なくとも1次リーグ4戦目の台湾戦以降は実戦を想定してブルペン入りしていた。けど、出番は回ってこなかった。5日のカナダ戦では久しぶりに気合が入ったブルペン投球を見せた。いよいよ投げるぞと行く気満々のところで、またしてもブレーキを踏まれた。準備をしては空振りの繰り返しで、心身のリズムが狂ったのは間違いない。特にカナダ戦の登板回避は、高めた気持ちを無理やり抑える形になった。この日は試合前から思うような球を投げられず、いつになく力んでいた。いつ投げるかわからない状態が続けば、精神的にも落ち着かない。ひいては球がいかないことで力みが生じ、中指に負担がかかったのだろう」