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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

セ新記録 近本光司の活躍に見る「小兵大国」阪神の不思議

公開日: 更新日:

 阪神のルーキー・近本光司がセ・リーグの新人最多安打数記録を更新した(23日現在で156安打)。しかも、従来の記録保持者が天下のミスタープロ野球長嶋茂雄のもつ153安打で、それを阪神の近本が塗り替えたわけだから、全国の虎党はもちろん、在阪スポーツ紙も大騒ぎだ。

 このところの阪神は鳥谷敬の退団やランディ・メッセンジャーの引退、さらにチーム成績も低迷するなど暗いニュースばかりだったから、余計に近本を盛り上げたいのだろう。

 もっとも、長嶋が新人時代に記録した153安打は年間130試合制時代のものであるから、現在の143試合制と横並びにして安打数を比較することは全く理にかなっていない。実際、近本が長嶋の記録を更新する154安打目を放ったのは136試合消化時点であり、130試合時点では146安打と、長嶋のそれを大きく下回っていた。さらに、打率も長嶋は.305だったのに対し、近本は.274だ。

 これらを考えると、厳密には近本が“長嶋超え”を果たしたとは言いにくい。試合数の増加と、近本の打順が上位であることによる打席数の増加など、もろもろの環境要因があわさって生まれた新記録だと解釈できる。

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