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山田隆道作家

1976年、大阪生まれ。早大卒。「虎がにじんだ夕暮れ」などの小説を執筆する他、プロ野球ファンが高じて「粘着!プロ野球むしかえしニュース」などの野球関連本も多数上梓。各種スポーツ番組のコメンテーターとしても活躍中。

鳥谷への不細工な引退勧告 私はこのゴタゴタは忘れない

公開日: 更新日:

 鳥谷敬が今季限りで阪神を退団することになった。現役続行を望む鳥谷に対して阪神側から戦力外通告および引退勧告を行ったという。早稲田大学から鳴り物入りのドラフト希望枠で阪神に入団して16年。その間、2度のリーグ優勝に貢献し、2000安打も達成した大功労者が、球団から縦縞のユニホームを奪われるかたちとなった。

 当然、虎党の私としては寂しいやら腹立たしいやら、とにかくネガティブな感情しかわいてこない。いくら衰えたといっても、さすがに引退勧告はまだ早すぎる。5年総額25億円とも推測される大型契約は今年で切れるのだから、鳥谷が現役を望むなら、たとえば年俸3000万円程度で受け入れる手もあっただろう。一部報道で谷本球団副社長も言っていたように、彼は「自分で出処進退を決められる数少ないプレーヤー」のはずだ。

 それに既視感たっぷりのこのパターンにもいいかげん飽き飽きだ。昨年の金本知憲監督電撃解任や2009年の赤星憲広への引退勧告など、どうして阪神という球団は偉大な功労者の引き際をきれいに“演出”できないのか。かつての今岡誠も晩年は阪神を戦力外となり、ロッテに移籍した。古くは掛布雅之岡田彰布も不遇な最後だった。

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