著者のコラム一覧
松崎菊也戯作者

53年3月9日、大分県別府市生まれ。日大芸術学部放送学科卒業後は宇野重吉らが率いる「劇団民藝」に所属。その後はコントグループ「キモサベ社中」「キャラバン」を経て、88年にコントグループ「ニュースペーパー」を結成。リーダー兼脚本家として活躍した。98、99年にはTBSラジオ「松崎菊也のいかがなものか!」でパーソナリティーを務めた。現在も風刺エッセイや一人芝居を中心に活躍中。

ナイキのピンク一色に染まった駅伝は派手すぎていかん

公開日: 更新日:

「タイムが出るからナイキにするんだって」

「だからねえ、そんな内規を作るなちゅう話だ」

「メーカーのナイキよ」

「メーカーの内規だろうが陸連の内規だろうが、そんな内規はない方がいいちゅうとろうが!」

 こういう思い込みは熱に浮かされたせいばかりとは言えん。

 やっと熱が下がった松明け頃、病院の帰りに、公園をピンクの厚底でヨタヨタ走っている派手な年寄りカップルを見た。あれじゃ林家ぺー夫婦だぜ。人より速く走って何を死に急ぐかジジババ。

 そのうち他メーカーこぞって、もっと厚底、もっとぴょんぴょん走れる靴を競って「ナイキの独り勝ちはやめさせナイキ」だの「うちでも出サントいかんぞ」とか「それ履くと足っ苦痛だぞ」とかお互い罵り合い、とうとうどこかからドクター中松がお出まし、「元祖はこれだジャンピングシューズ!」。

■心配にはおよばん

 心配には及ばん。国際水連が着るだけで速く泳げる水着を禁止したように陸連の内規も変わるだろ~サ。どうもピンクは年寄りにゃ派手過ぎていかんぞ。せめて茶とか黒とかドドメ色系、ジジイでもつい履きたくなる色を安価で出せ。そうすりゃ買ってやらんでもない。よくよくマークを見たら、中国のインチキ靴屋がナイキそっくりの「ノイキ」とか大量コピー品だったりする。その頃にゃブームも「虫ノイキ」。

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