奥川は「高め直球とカット習得」が成功のカギ 専門家解析

公開日: 更新日:

 7日から新人合同自主トレを行うヤクルト1位の奥川恭伸(星稜)。14日には12分間走で新人6選手中、断トツの3375メートル(時速16・88キロ)を快走した。昨夏の甲子園準優勝投手で、U18ではカナダ相手に7回18奪三振の快投を見せた新世代の怪物候補を、スポーツ科学の専門家である神事努氏(40=国学院大人間開発学部健康体育学科准教授)が徹底解剖する。

◇  ◇  ◇

 ――直球の回転軸角度が81度と非常に大きい。

「縦回転のキレイなバックスピンに近く、回転数もプロ平均に近い。すでにプロの球といえます」

 ――他に特徴は?

「少しシュート成分が大きく、シュートしながらホップする。かなり良い球質です。MLBのバーランダー(アストロズ=通算225勝)に似た球質といえます。ただ、今以上に球をホップさせるのはなかなか難しいでしょうし、先発の場合は最速よりも平均球速が大事になりますから、平均球速を上げることが今後の課題になるのかなと思います」

 ――変化球に関しては?

「スライダーは『高校生のスライダー』というのが第一印象です。高速でグッと曲がるというより、プロではカーブの部類に入るのかなと。高校時代はスライダーで多くの三振を奪ったイメージがあるかもしれませんが、プロでは少し厳しいのかなと思います」

 ――曲がるタイミングが早く、曲がりも大きいということでしょうか?

「高校生の場合は、速い直球とスライダーに対応しきれず空振りが多く取れても、プロでは大きく膨らみすぎると、この球は変化球だなとわかってしまう。打者のスイング速度が速い分、待てる時間も長くなる。大きく曲がりすぎる変化球は、通用しない傾向にあるといえる。ただ、決して使えない球ということではなく、先発を務めるなら、あと1~2球種は必要でしょう」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」