U-23現地取材で見えた 東南アジアサッカーの「光と影」
「延べ4試合、選手達は挑戦をして良い経験を積めたと思っています。協会は<2026年ワールドカップ出場>という目標を掲げていますので、それに向けてこの世代がこういった経験を糧に成長していってくれれば、可能性はあるのではないかと考えています。しかし、私は将来的な部分を非常に危惧もしています。現状では国内でクラブチームとやる程度の強化しかなく、国際経験が乏しいんです。昨年も遠征して強化をしたことがないですし。もし<大きな目標>を立てているのであれば、原石はあると思ういますし、磨かなければ光らないとも思っています。しっかりとしたプランを立てなければ……」
本来、タイ代表はU-23アジア選手権の予選で敗退しており、今大会への出場資格がなかった。しかし、自国開催を何とか手繰り寄せ、出場に漕ぎ着けたという経緯がある。何故そこまで大会開催にこだわったのか。
<日本人監督で東京オリンピックへ><52年ぶりの出場を>というミッションの裏には、2月に控えたタイサッカー協会(以下、FAT)会長選挙の存在が見え隠れしてくる。再選確実と言われるソムヨット現会長とはいえ、選挙前のこのタイミングで開催成功を国内外へ向け、アピール出来ることは大きな意味を成す。たとえ“大枚”をはたいたとしても、だ。