<1>エースは故障を押し「いかせてください」と登板を直訴

公開日: 更新日:

「本人がどうしても投げたいと言うんです。でも、彼はこの大会で野球人生が終わるわけじゃない。ここで無理をさせてはダメだと感じました」

 和田監督は一度は竹内をなだめたものの、その七回に1点を失って1―5、なおもピンチが続く時点で「八回の1イニング限定で登板許可を与えた」という。

■和田監督の原体験

 和田監督は拓大紅陵から東洋大を経て、1992年のドラフト3位でロッテに入団。プロ10年間の通算成績は72試合で2勝3敗、防御率3・67。拓大紅陵時代は高橋憲幸(現日本ハムスカウト)と並ぶ2本柱も、肩の故障で3年夏の甲子園は投げられなかった。竹内の将来を考えたら無理はさせたくないが、投げないまま高校最後の大会が終わった投手の気持ちは痛いほど分かる……。

 思えば、拓大紅陵に限らず、全国で行われた代替大会は無い無い尽くしだった。勝っても甲子園にいけるわけでもないし、そもそも声援を送ってくれる観客もいない。拓大紅陵は100人超の吹奏楽部の応援が名物だが、それもなかった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    菊川怜の元夫は会社が業績悪化、株価低迷で離婚とダブルで手痛い状況に…資産は400億円もない?

  2. 2

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  3. 3

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  4. 4

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  5. 5

    斎藤元彦知事ヤバい体質また露呈! SNS戦略めぐる公選法違反「釈明の墓穴」…PR会社タダ働きでも消えない買収疑惑

  1. 6

    渡辺裕之さんにふりかかった「老年性うつ」の正体…死因への影響が報じられる

  2. 7

    水卜ちゃんも神田愛花も、小室瑛莉子も…情報番組MC女子アナ次々ダウンの複雑事情

  3. 8

    《小久保、阿部は納得できるのか》DeNA三浦監督の初受賞で球界最高栄誉「正力賞」に疑問噴出

  4. 9

    菊川怜は資産400億円経営者と7年で離婚…女優が成功者の「トロフィーワイフ」を演じきれない理由 夫婦問題評論家が解説

  5. 10

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”