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鈴村裕輔野球文化学会会長・名城大准教授

1976年、東京都出身。法政大学博士(学術)。名城大学外国学部准教授。主な専門は政治史、比較思想。野球史研究家として日米の野球の研究にも従事しており、主著に「MLBが付けた日本人選手の値段」(講談社)がある。スポーツを取り巻く様々な出来事を社会、文化、政治などの多角的な視点から分析している。アメリカ野球学会会員。

バイデン政権誕生ならいよいよ不透明感が増す「球団経営」

公開日: 更新日:

 支持者に庶民性と親しみやすさを訴えかけるために野球を利用している側面があるとはいえ、バイデン自身に関する限り、球界への理解は浅くはない。

 大リーグでは黒人選手や一部の球団経営者が民主党支持を公言しており、カブスの共同経営者であるローラ・リケッツは約21万ドル、レッドソックスの会長のトーマス・ワーナーは約9万ドルを大統領選期間中に民主党に献金している。

 だが、ジャイアンツの経営者チャールズ・ジョンソンが一人で約320万ドルを共和党に献金しているのに比べれば、球界の民主党支持者が少数派なのは明らかだ。

■サンダースとの協力関係

 しかも、大統領選を撤退したとはいえ、若者の間で高い人気を誇るバーニー・サンダースが、1980年代以来「球界は経営者優遇に偏っている」と批判していることも、球界にとっては民主党を支持しにくい原因の一つとなっている。

 特にサンダースは大リーグ機構によるマイナー球団の削減問題について大統領選中から「これ以上ないひどい話」と批判し、政界の中でも反球団経営者の姿勢が顕著だ。

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