楽天3位・藤井聖は負けん気十分 転機は母のがんと闘病生活
■兄は薬剤師
藤井の4歳上の兄・寛さんは、がんと闘う母を間近で見てきたことがきっかけで猛勉強を重ねた。
地元の公立高を卒業後、東京薬科大へ進学し、現在は薬剤師として働いている。
「本当は理学療法士になりたかったようですが、私が抗がん剤を飲んで苦しむ姿を見て『なんで薬を飲んでるのに苦しむのか』という疑問が引っかかっていたようです」(紀代子さん)
一方、弟の藤井はそれまで以上に野球に打ち込んだ。
小学6年の秋から中学時代に所属した瀬谷リトルシニアの当時の監督、神康裕氏はこう語る。
「誰よりも一生懸命で真面目な選手という印象が強く残っています。チームの中では体が小さくて、それほど目立った選手ではなかった。彼もそれを実感したんでしょう。打つのも、守るのも、一つ一つのプレーを丁寧に、地道に努力していました。腐らずにやっていたので、最終的には『9番・右翼』でかろうじてレギュラーを掴み取ったんです」