五輪予選延期で“お家芸”アーティスティックスイミングに影
日本のライバルが出場するアーティスティックスイミング(AS)の東京五輪世界最終予選(3月4~7日、東京アクアティクスセンター)が、延期になりそうだ。
入国する選手の行動制限を緩和する措置が停止されているため、予定通りの実施が難しいからだ。国際水泳連盟(FINA)は4月以降への先送りを検討しているという。
日本のAS団体は2016年リオ五輪で3大会ぶりに表彰台(3位)に立った。お家芸の復権をアピールしたが、19年世界選手権(韓国・光州)では、フリー、テクニカルの両ルーティンともロシア、中国、ウクライナの3強の後塵を拝して4位に終わった。世界選手権の結果から見れば、日本は2番手グループの位置付けだ。
おまけに世界最終予選の結果次第では、日本と同レベルのスペイン、フランスの猛追を受けることになる。ASはコロナ禍で国際大会から遠ざかっている。開催国枠で出場権を得て最終予選に出場しない日本より、五輪イヤーに実戦を踏んだライバル国の演技が国際レフェリーの印象に残るからだ。
日本の団体は空手の動作を組み込むなど、独自の演技でメダル取りを狙っているが、大会前の印象度ではライバルに逆転されかねない。