広島“5ツールプレーヤー”鈴木誠也の数字に表れないキズ
メジャーがいま、最も注目する日本人野手といえば広島の鈴木誠也(26)だろう。
昨年まで5年連続打率3割、25本塁打はプロ野球史上4人目。外野手として守備範囲は広いうえ、肩も強い。体が大きくなるにつれてスピードが落ちたようにも感じるが、2年前に25盗塁をマークしたように足も速い。ミート力、長打力、走力、守備力、送球力の高い、いわゆる「5ツールプレーヤー」だ。
メジャーで打率.280、15本塁打なら合格点とみるが、実際にどうなるかは分からない。信頼できる日本の情報提供者が「鈴木には数字に表れない欠点がある」と言ってきたからだ。
「チャンスに弱い。得点圏打率自体も高くないのに加え、ここぞという場面、勝敗を左右するような局面で結果を出せないことが多いのです」
その情報提供者はわたしにこう言った。
鈴木の得点圏打率をみると、2018年.276、19年.285、20年.320、今季は20日現在.244。なるほど高いとはいえないうえ、情報提供者によれば肝心な場面での適時打が少ない。大勢に影響ないシーンで稼いだ得点圏打率だとすれば、ただでさえ平凡な数字の価値はいよいよ下がる。