広島“5ツールプレーヤー”鈴木誠也の数字に表れないキズ
チャンスでの配球の読みが甘いのか、何とかしなければと自分にプレッシャーをかけ過ぎているのか、プレッシャーに弱いのか……。原因を突き止めなければ、選手の能力を正当に評価することはできない。
■重要なのは性格と起用法
メジャーはいま、データ野球全盛。選手の能力も含め、すべて数字で判断する球団がほとんどになった。我々スカウトはいよいよ冷や飯を食うご時世だが、こういうときだからこそ腕の見せどころなのだ。
2年契約の途中でブルージェイズを自由契約になった山口俊(ジャイアンツ傘下)は、ピンチを迎えるとマウンド上で滝のような汗を流す。気が小さい性格を把握して獲得したのであれば、いきなりプレッシャーのかかるタイブレークでデビューさせるようなことはなかったはずだし、性格を把握せずに数字に飛び付いたとすれば明らかな調査不足だ。
かつて西武からメッツに移籍した松井稼頭央は、地元ニューヨークのファンの激しいブーイングにさらされて本来の力を発揮することができなかった。
鈴木がここぞの場面をものにできない原因は詳しく調べなければ分からないが、性格に問題があるなら把握しなければならないし、それなりの起用法が必要になる。
(メジャーリーグ覆面スカウト)