五輪開催してもショボい?組織委を悩ませる米国選手の動向
米オリンピック・パラリンピック委員会(USOPC)はロイター通信の取材に対し、日本への渡航禁止レベルが引き上げられたことを了解しつつ、今のところ、「米代表チーム選手の今夏の安全な参加を可能にすると確信している」などと静観している。しかし、前出のスポーツ紙記者によると、「これは米選手一人ひとりに意向確認した上での回答でもないし、参加を確約したものでもない」と言い、こう続ける。
■米選手は自分の生活に直結する大会を優先
「日米両国民の五輪に対する意識の違いもあると思うのですが、プロが多い米選手が優先するのは自分の生活に直結する大会。例えば、野球なら大リーグ、バスケットならNBA、ゴルフならPGAツアーでしょう。そんな彼らが『新型コロナに感染するかもしれない』という五輪のために来日するでしょうか。例えば、男子ゴルフで2013年のマスターズ・トーナメント覇者のアダム・スコット(豪州)はすでに東京五輪に参加しないと表明していますが、彼は16年のリオデジャネイロ五輪もジカ熱感染を懸念して出場を見送っています。おそらく米選手の中にも今後、コロナ感染を心配して参加しないと決断するケースが出てくるでしょう。仮に五輪でコロナに感染し、プロとしてはもちろん、競技活動を続けられなくなったら誰が損害を補償するのか。日本政府や組織委は『とにかく開けば何とかなる』と軽く考えているようですが、そんな甘い話ではないのです」