MLBの審判は訴訟が大好き アンパイア歴40年の“誤審王”は選手を名誉毀損で訴え
同審判は誤審と「退場」が多いことで有名な最も憎まれている審判でもあるため、フェイクエピソードで同審判をコケにする者が後を絶たない。それがエスカレートすると殿堂入りに悪影響が出る恐れがあった。そこで彼は、ネット番組で「ウエスト審判はクラシックカーのマニアなんで、ピッチャーが年代物のシボレーを貸してやると、大喜びでストライクゾーンを広くしてくれる」と、まことしやかに語っていたロデューカに的を絞って名誉毀損訴訟を起こしたのだ。裁判は昨年結審してウエスト審判が勝訴。ロデューカは50万ドル(約5500万円)の支払いを命じられた。
■天敵マドン監督も訴訟恐れ態度一変
成果はそれだけでなく、これ以来、ウエスト審判を目のかたきにして、ことあるごとにケンカ腰の抗議を仕掛けてきた天敵マドン監督が、反撃を恐れて友好的な態度に転じたのだ。8月2日のエンゼルス戦で主審を務めた際、同審判は大谷翔平の打席でボール2個くらい外れた投球をストライクと判定し、敵地であるにもかかわらず球場がどよめいた。それでも、マドン監督はヤジひとつ飛ばさず、ポーカーフェースのままだった。