阪神・矢野監督の退任表明と今シーズンの戦々恐々
■どっちに転ぶか…
しかし、その逆の最悪のケースを想像すると恐ろしいものがある。もし今季の阪神が開幕ダッシュに失敗し、前半戦で早くも優勝が絶望的な状況になってしまったら、阪神恒例のお家騒動の雑音はいったいどこまで高まるのだろう。また、その界隈だけでなく、阪神ファンのヤジも耳を塞ぎたくなるほど大きく、痛烈なものになることは想像に難くない。今季終了後の退任となるはずが、シーズン途中での休養に発展し、後任人事が最注目の話題となるはずだ。
そして、こうなったら選手たちはなにをモチベーションに残りのシーズンを戦うのだろう。プロ野球選手は個人事業主だから、監督人事がどうなろうとも、自分の個人成績だけはしっかり残しておく、という方向にみんなが切り替えられればいいのだが、果たして。
幸い、今はCS制度があるため、よほどの大惨事(最下位争いなど)にさえならなければ、たとえ優勝は無理でもCS進出に下克上の望みを託すことで、シーズンの最終盤まで矢野監督ラストイヤーの盛り上がりを維持することはできる。しかし、そうなったとしても後任人事の注目がおさまるわけではないため、やはり今季の阪神は外野がうるさくなりそうだ。
ただでさえ、阪神の監督人事は紛糾するのが常である。矢野監督の退任表明により、今季はそれが早くからおおっぴらになりそうで、なんだか今から戦々恐々である。