古江、渋野ら全米女子OP参戦 アジア勢最大の敵はN・コルダか…復帰戦にメジャー選んだ不気味
今年の勝者はどこの国の選手か。
前週の米女子ゴルフは、ツアーで唯一のマッチプレー。決勝に進んだ古江彩佳(22)は韓国のチ・ウンヒ(36)に敗れたが、来季のシード権をほぼ手にした。
その古江も参戦する全米女子オープン(OP=6月2日開幕・ノースカロライナ州パインニードルズロッジ&GC)は、アジア勢の活躍が目立つ。過去10年の優勝者は韓国選手6人、タイ1人、フィリピン1人。米国勢は2014年M・ウィー(32)と16年B・ラング(36)だけ。17年にはトップ10に米国勢が1人も入れず、これは1946年の大会創設以来初の屈辱だった。
直近10年(31大会)で、米国開催のメジャー3大会(全米女子OP、全米女子プロ、シェブロン選手権)で自国選手が勝ったのは7人しかいないのだ。
「それが米国で女子ゴルフの人気低迷の一因になっている」と、吉川英三郎氏(ゴルフライター)はこう言う。
「今の女子ゴルフ界はスーパースターが不在。週末のテレビは人気の高い男子ゴルフとかぶることもあるが、自国の大会で外国選手ばかりが勝っていればおもしろくない。それがメジャーならなおさらです」
昨季4勝で東京五輪金メダル
近年の米女子ゴルフは韓国、日本、タイのアジア勢が強く、特に韓国選手の勢いはとどまるところを知らない。コロナの影響がなかった19年はツアー33戦で15勝。先の3つのメジャーだけでも、韓国勢はここ10年で延べ16人も勝っている。
今年の大会には、昨年覇者で日本人として出場する笹生が連覇を目指し、古江、畑岡奈紗(23)、渋野日向子(23)の現地組の他に、日本ツアーからは小祝さくら(24)、西郷真央(20)ら、好調選手が多数出場する。
そんなアジア勢の壁になりそうなのが、昨季4勝で東京五輪金メダルのN・コルダ(23)だ。
「世界ランク2位のコルダは今年4月、鎖骨下静脈の血栓除去手術を行い、欠場が続いていたが、今週復帰する。全米女子OPを復帰戦に選んだのは、優勝を狙えるだけの準備が整っているからでしょう。飛距離は出るし、アイアンの精度も高い。やっかいな相手です」(吉川英三郎氏)
アジア勢の6連覇を阻むのは五輪金メダリストか。