ナダルがウィンブルドン準決勝棄権も…男子テニスの「御三家時代」はまだ終わらない
テニスのウィンブルドンで男子シングルス4強に入ったラファエル・ナダル(36)が7日、腹部を痛めて8日の準決勝を棄権すると発表した。
ナダルはノバク・ジョコビッチ(35)、ロジャー・フェデラー(40)と並び、男子テニス界を牽引してきた「御三家」のひとりだ。ジョコビッチは決勝に進んだものの、フェデラーは昨年、3度目の右膝手術に踏み切り、1999年のデビュー以来、初めてウィンブルドンを欠場。今年は全豪オープン(OP)、全仏OPも欠場し、試合から丸1年遠ざかっている。
3人ともいわゆる「アラフォー」世代。テニスの一時代は終焉を迎えつつあるのか。スポーツライターの武田薫氏は「まだまだ影響力は強い」と言ってこう続ける。
「ナダルの棄権は将来を見据えた決断でしょう。スペインではウィンブルドンと同時期に開催されるクレーコートのマヨルカ・トーナメントがメジャーだった。しかしナダルは芝コートのウィンブルドンに積極的に出場することでスペイン国民の意識を変えた。ジョコビッチも、ワクチン拒否問題に見られるように、体の管理に対する意識が高い。選手としても長生きしますよ。フェデラーはスイスで記念コインが発売されたほどのスター。スイスは日本と違って存命している人間の銅像を建てたり記念品を作ったりはしない。それだけ異例なことで、影響力の大きさが分かります。この3人ほど世界に影響力を与えられる選手は他にいない。ジョコビッチのワクチン問題も、ただ拒否しているのではなく、ひとりの人間としての生きざまを見せている。ここまでメッセージ性を持った選手はいない」
この3人が去った後のテニス界には空虚な風が吹きそうだ。