【追悼・池永正明氏】同級生のライバル山崎裕之氏が語る「天才投手の凄み」
9月26日、元西鉄ライオンズ投手の池永正明氏ががんのため、亡くなったことが分かった。76歳だった。
池永氏と同じ1946年(昭和21年)生まれで、ロッテ、西武でプレーした名球会会員の山崎裕之氏は肩を落とし、こう語った。
「昭和39年、僕と池永、菱川章(外野手=倉敷工)の3人は『高校三羽ガラス』と言われた。池永はライバルであり、素質も実力も素晴らしい投手だった。球の力があり、制球が良かった。味方が2点しか取れないと1点に、3点取ったら2点に抑えて勝つ。エースにふさわしい投球ができる投手だった。私的な親交はなかったですが、最近は星野(仙一)や衣笠(幸雄)、同年代の球友が亡くなったという話を聞くことも多くなって、寂しいですね」
その山崎氏がかつて、池永氏について語った日刊ゲンダイ連載企画「プロ野球名手物語」の一部を再掲載する。
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昭和40(1965)年の6月だったと思う。西鉄の新人・池永(正明=当時18歳)の前にボクたちオリオンズは六回まで毎回三振を奪われていた。ベンチの片隅で本堂監督は、なすすべがないといった顔でこう言った。