関脇・若隆景の強みと不安 大関に最も近い力士の天性の素質
重心を下げて低い姿勢になろうとしても、足首が硬いとかかとが浮いてしまいます。この状態では力が相手にうまく伝わらず、いくら攻めていても巻かれたら──横にひねられたら抵抗できずに一発です。攻められているときも、重心を下げられないのでやはり不利です。逆に柔軟な力士は前に攻めるときは安定感もあるし、腰が浮かなければ押されても簡単には下がりません。
■蹲踞で分かる柔軟性
こうした柔軟性はもちろん稽古で鍛えることもできますが、天性の素質もあります。大相撲を見ていると、蹲踞をしたときにふとももの裏とふくらはぎがくっつかない力士がたまにいます。あれはヒザと足首が硬い証拠。若隆景はそうした柔軟性に優れているから、力強いおっつけができる。
現在、27歳。ある意味では力士が一番、力を出せる時期でもあります。本人にも常々、「ここ2、3年が勝負だぞ」と声をかけています。本人もさらに1つ上、つまり大関を狙う気持ちも強いので、必ずや昇進してくれるでしょう。